全くもって日本語のタイポグラフィ処理に評判がよろしくない自分ですが、一応グラフィックデザイナーなわけで、街の中でもいつもタイポグラフィやデザインを気にしています。で、いつも思っていたのが道路標識に使われている文字。
勝手な想像で、あんまり他でみることがないなぁ、きっといぶし銀な職人さんが若い衆に
“おまえ、こことここの隙間が全然なってねぇな”とか言いながら、
手描きで一枚一枚作っていたんだろうなとか思っていたわけですが、一応書体名もあって、統一されていたんですね。
その名も公団ゴシック!
しかもそれをフォント化したぱんかれ(pumpCurry) 氏というすごい人もいて、窓の杜でダウンロードもできちゃう!
フォント作成者のぱんかれ(pumpCurry) 氏 (勝手リンクです、すみません)の公共物に使われている書体に対する超絶な愛のもとにうまれたフォントと見受けられます。
で、乗りものニュースによると、
しかしデジタルフォントが普及した現在では、視認性に配慮したフォントも登場。1字ずつ個別にデザインしていた「公団ゴシック」を使い続けるよりも、販売されているフォントを導入するほうが効率的になってきました。
東洋経済にも同様の記事を見つけました。
新しい書体は
和文:ヒラギノW5角ゴシック体
アルファベット:Vialog Medium
数字:Frutiger 65 Bold
うーん、どうかなぁ
Frutigerは納得です。
そもそも、アドリアン・フルティガー氏がシャルル・ド・ゴール空港の案内標識をデザインするために作った書体。空港の標識に適した、遠くからでも読みやすいタイプフェイスデザインということで、まったくもってメイクセンス。ところでこのフルティガーさんUniverseの作者でもあります。もう、サンセリフ界の神です。
ヒラギノはちょっと違う気がします。
ヒラギノっていまやコンピュータ使っていていつも目にする書体ですが、運転しているときって普段とは違った意識になっていると思うんです。細かなデザインがされた書体より公団ゴシックのような整然とした形で構成されている文字のほうがよっぽど情報として入ってきやすいと思います。それに道路専用の文字として統一することで、気を付けて運転せねばという意識チェンジも生まれるんではないかとも思うデス。
んで、問題のVialog Medium。
これ、完全にダークホースというか欧文もFrutigerがいいですよ、絶対。
総論として、変える必要ないじゃん、公団ゴシックを正式につくればいいじゃん、んで英数はFrutiger!
というのが自分の意見です。
それと、蛇足ですけど、標識の緑って統一されてます???